ユニクロUのセルビッジ(セルビッチ)デニムを評価レビュー。無駄な装飾が一切ないナチュラルなデニムを低価格で楽しめる一本

2021年1月26日

2021SSのユニクロUコレクションの中で、詳しい商品ラインナップがリリースされる前から購入を決めていたアイテムがあります。

それはユニクロUラインのセルビッジデニム

昨年末ごろから無性にリジット感のあるオーセンティックなデニムが一本欲しくなっていたのです。

ユニクロUのコレクションとしては、2020AWに一度「セルビッジレギュラーフィットジーンズ」としてラインナップされていましたが、発売当初はそこまでデニム欲が無かったため、気持ちが高まったころには既に売り切れに。

ユニクロの事前展示会の情報が流れて来た際には、春夏にも同様のセルビッジデニムが発売されるという前情報が公開されていたので、今季は買い逃すことの無いようにと事前にユニクロオンラインのお気に入りリストに登録していました。

一見すると「特徴が無いのが特徴」のようなとてもシンプルなリジットデニムですが、そのシルエットやディティール、生地感についてもレビューしてみたいと思います。

結論として、カイハラデニムが代名詞的に定着したユニクロと、世界的デザイナーであるクリストフ・ルメールのディレクションが組み合わされた渾身の一本。

ユニクロU 2-21SS セルビッジデニム タグ

※その後一年履き込んだ後の色落ちと経年変化については下記記事を参照。(色止めあり)

セルビッジデニムの魅力とは

セルビッジデニム・セルビッジジーンズとは、旧式力織機(シャトル織機)で織られたデニムのこと。

セルビッジ=耳の語源が示す通り、ロールアップした際に見られる「赤耳」と呼ばれる特徴的な生地の継ぎ目が目印。

セルビッジデニムの特徴としては、職人の手により旧式力織機の緩やかなスピードで生地が織られることでゆとりのあるテンション(糸の撚り)が生まれ、適度にムラのある凹凸が出ることで生地に立体感を与えます。

ヴィンテージライクな色落ちが楽しめると言われる由縁。

現代の高速の織機で織られる平面的なデニムでは生まれ得ない味わいがあるワケです。

太番手の糸でも織ることが出来るため、ヘビーオンスの重量級デニムを織ることも可能。

最大の弱点として、製造のスピードが出せない分大量生産には向かないため価格が高くなりがちで、まさに職人技術の賜物と言えるでしょう。

赤耳が特徴的なので、ロールアップしてチラ見セするのもコーデのアクセントとして使えます。

また、旧式力織機の証である耳のデザインも各ブランドで遊び心を加えることがあり、以前紹介したJAPAN BLUE JEANSでは「コートジボワール綿」を使用していることにちなんでコートジボワールの国旗を模した耳に仕上げているアイテムがあったりします。

各ブランドのデザイン性・ストーリー性も垣間見える瞬間でもあるので、注目して見るのも面白いと思います。

「セルビッチデニム」表記について

ちなみに、セルビッチジーンズやセルビッチデニムと書いてあるのをよく見ますが、もとの英語のスペルはselvage(あるいはselvedge)なので、セルビッチデニムという呼称は正確では無いと思います。(今となってはセルビッチと呼ぶ方が主流な気もしますが)

別にだからどうという話でもないのですが、筆者は基本的にはセルビッジデニムという表記で統一したいと思います。

本来が英語を日本語読みしていることを考えると、微妙な発音の違いが間違いとは言えないとも思いますが、認識として一応参考までに。

セルビッジデニムとリジットデニムと生デニムの違いと見分け方

ところで、セルビッジデニムリジットデニム生デニムの三つの言葉は比較的混同されがちな気がするのですが厳密にはそれぞれ違いがあります。というよりは、それぞれの言葉が表す定義が違う。

  1. セルビッジデニムとは

    旧式力織機により織られた生地→生地の製法を表している

  2. リジットデニムとは

    洗い加工がされていない糊付きの生地→生地の状態を表している

  3. 生デニムとは

    リジットデニムの中でも防縮加工されていない生地→リジットデニムの種類を表している

以上のように考えると分かりやすいと思います。

セルビッジデニムとは前述のとおり旧式織機で織られた生地でできたデニム・ジーンズのこと。

リジットデニムとはワンウォッシュ(洗い加工あり)ノンウォッシュ(洗い加工なし)などの加工をかけているかどうかを示す「生地の状態」を表す呼称。

ノンウォッシュのリジットデニムに関しては、生地に洗いをかけると生地の縮みが発生します。

リジットデニムには防縮加工(サンフォライズド加工)されているものとされていない物があり、特に生デニムと呼ばれるものは防縮加工がされていないリジットデニムのことで、水洗いすると1~2インチほど縮む(元のサイズにもよる)とされているのでサイズ選びに注意が必要。

無加工の生デニムは現代においてはややマニアックな製品になり、大抵は縮みが発生する旨が商品説明に記載されているはずなのでしっかり確認しましょう。

リジット=固いという語源が示す通り生地に固さがあるので、デニムの醍醐味であるメリハリのある色落ちを楽しむならリジットデニムとされています。

以上のような種類分けを踏まえると、今回購入したユニクロUのデニムは、洗いをかけていないリジットで防縮加工有りのセルビッジデニムということになります。

ユニクロUのセルビッジデニム レビュー

ここからは、ユニクロU セルビッジレギュラーフィットジーンズをレビュー。

シルエット

ユニクロU 2021SS セルビッジデニム

スタイルとしては、腰~腿回りに若干ゆとりのあるストレートシルエットの濃紺デニム。

ストンと落ちるバギーパンツライクな形ではありますが、太さとしては極端に太いわけではありません。

若干、ほんの少し、気持ちばかり、裾に向かってテーパードしていることで、野暮ったくならずに履ける仕様。

デニムに限らず、この手の緩やかなテーパードのパンツは本当に増えましたね。

丈は裾直しがいらない長さに最初から設定されています。

気が利いていますがこのあたりは賛否ありそうな部分で、例えば裾丈をあえて少し長めに残して「ロールアップの折り返し幅を広めで履く」とかは出来ない仕様。

筆者はデニムはジャストで履きたいので特に気になりません。(サイズの上げ下げで影響は出そう)

店舗ではロールアップして置かれていますが、筆者としてはロールアップ無しでストンと履きたい一本。

防縮加工有りで縮みが少ないこと、履き心地にゆとりがあること、本来のシルエットの綺麗さから、ウェストジャストをチョイスするのが一番綺麗に履けると思います。

生地

ユニクロU 2021SS セルビッジデニム バック

コットン100%、生地の厚みを示すオンス(1平方ヤードあたりの重さの単位)は13oz

厚みとしては標準ど真ん中の範囲内で、若干軽め寄りではあるもののほぼ平均とされる生地の厚み。

オンスの違いについては、夏場に履くような軽くて薄めの10オンス未満の生地をライトオンス、15オンス以上のデニムをヘビーオンスと呼ぶのが一般的。

綿100のノンウォッシュデニムは、昨今のポリウレタン混ストレッチデニムに慣れていると「生地のゴワ付きや動きにくさが嫌」なんて言葉も聞こえてきそうな時代。

本来であれば、この固さのある生地感と若干のゴワつきによる凹凸感こそがデニムの真骨頂と言っても過言では無いはず。

また、ユニクロのデニムと言えばカイハラ社のデニム生地を使用していることでも有名。

カイハラデニムと言えば、世界的な評価を受ける国内No.1のデニム生地メーカーで、紡績→染色→織布→整理加工までの全工程を一貫生産で行っている国内唯一のメーカーです。

同じく国産デニム生地メーカーのKUROKI / クロキと並び賞される日本を代表するデニム生地ブランド。

+Jのレビュー記事で紹介した国産スーツ生地メーカーNIKKE / ニッケ社MIYUKI / 御幸毛織のような関係性に似ています。

まさに世界基準の品質。

ディティール

各ディティールは至ってシンプル。無駄な装飾性は一切無し。

フランスのデニムブランド「A.P.C.(アーペーセー)」みを感じさせる綺麗めヨーロピアンデニムといった様相。

ルメールの母国もフランスですね。

ユニクロU 2021SS セルビッジデニム ボタン

刻印すら入っていないフロントトップボタン。

ザ・シンプル。

ユニクロU 2021SS セルビッジデニム 装飾

多くのブランドに採用されているウェストの革パッチやバックポケットステッチも無し。

なお一層A.P.C.みが深い。

ユニクロU 2021SS セルビッジデニム コインポケット

リベット無しのコインポケットは通常よりも大きめに設定されているため、過度に目立つことなくボディに馴染んでいます。

通常であれば、コインポケットにZippoやコインを入れてわざと「アタリ=色落ち」を出すようなことをしたりするのですが、このデニムに関しては通常の規格とは異なるためより一層個性を楽しむことも出来そう。

これらディティールの装飾性の無さが、筆者の今のデニム欲にとてもマッチしていました。

フロントジッパー仕様

ユニクロU 2021SS セルビッジデニム ファスナー

フロントにはYKKファスナーを採用。

デニム好きからは評価が分かれるところで、デニムにこだわるならフロントはボタンフライが絶対という人も少なくないはず。

筆者は、逆にフロントフライの煩わしさが苦手。

A.P.C.など見た目クラシックなデニムが履きたくてもボタンフライの為に躊躇することも少なくなかったので、ジッパーフライ仕様のユニクロU セルビッジは有り難い。

本格デニムとは言い難いものの、筆者としてはジッパーフライだから購入を決めたと言っても過言ではありません。

ライフウェア。

セルビッジ(耳)

ユニクロU 2021SS セルビッジデニム 赤耳

セルビッジデニムの証である耳。

通常『赤耳』と呼ばれる赤のステッチが入ることが多いですが、ユニクロUのセルビッジはピンクがかった淡い色糸が使用されています。

ルメールお得意の色味を表現したものだったりするのでしょうかね。

可愛いのですが、個人的にはロールアップして履かないので視覚的な恩恵はそれほど得られませんが、こういった細部のこだわりは嬉しい。

ユニクロU セルビッジデニム 2021SS まとめ

2020AWでお披露目されたユニクロUのセルビッジデニムですが、2021SSでも再登場したことで、今後定番アイテムとして継続されていく企画になりそうな匂いがしていますね。

初めてお披露目された時ほどの人気殺到は無いにしろ、常に一定以上の需要はありそうなアイテム。

「デニムを育てる」ということを考えたら、定期的に買い増し・買い替えをして違いを楽しみたくなるものでもあります。仮にセール価格になったら1~2本買い足すと思いますね。

今後は、出来れば最低でも14オンス以上のセルビッジも見てみたい。この価格帯では難しいかな?

ルメール×カイハラデニムのセルビッジが3,980円で買えるって改めてコスパヤバい。

次の記事では、履きはじめ初回の「糊落とし」と洗い方について書いてみたいと思います。

今回購入したセルビッジデニムに関しては、出来るだけ初期のリジット感を残したまま綺麗めに履いていきたいと思っているので、色落ちを和らげる「色止め」についても試しています。

こちらもぜひお読みください。

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こちらもあわせてチェックしてみてください。

ではでは。

※セルビッジデニム関連でメゾンキツネのデニム記事もどうぞ