
超希少サイズも完全再現!M-47を忠実に復刻したレプリカパンツ。前期と後期の違いとサイズ感についても解説
前回の記事ではM-65フィールドカーゴパンツ “黒染め"を紹介しました。
目下ミリタリーカーゴパンツがキテる筆者ですが、前回に続いて紹介したいのが、ミリタリーを語るうえでM65と共に外せない存在。
M65と双璧を成すほど絶大な人気を誇るフランス軍モノのM47カーゴパンツです。
ユーロミリタリーブームの火付け役と言っても過言ではないM47は、現在あまりの人気の過熱ぶりと玉数の少なさから、古着市場でも価格が高騰。
平均的な日本人がジャストで着用出来るサイズとなると、そもそも市場にほとんど出回っていなかったり、あったとしてもかなり高額になっているのが現状かと思います。
希少とはいえ、あまりに高額だとそれだけ他の選択肢(ドメブラ、メゾンブランドのアイテムなど)も視野に入ってしまうので、よほどのこだわりや思い入れでも無い限りは気軽に手を出しにくいんですよね……
そこで今回は、リーズナブルな価格で希少なジャストサイズが楽しめる上に、再現度が完璧に近いと評判も良い、シービーズ企画のM47レプリカパンツをレビューしたいと思います。


M-47カーゴパンツとは?
改めてM-47カーゴパンツとは、1947年にフランス軍で採用されたミリタリーカーゴパンツ。
シルエットは太めのワイドシルエットで、基本的には真っ直ぐストンと落ちるドカンストレートになっているのが特徴的。
後継にあたるフレンチミリタリーの名作M64カーゴパンツがテーパードを効かせたモダンシルエットになっているのとは対称的な、野暮ったいほどの極太さが魅力です。
縫製の丁寧さや各種ディティールの細かさに定評のあるパンツになっていて、世界的デザイナーとして名を馳せたマルタン・マルジェラが惚れ込んで、自身のコレクションにM-47を取り入れたことはあまりにも有名。
マルジェラのアーティザナルラインとして、M-47の表と裏を裏返したインサイドアウトカーゴパンツを発表しました。
アイテムの「本質を表す」インサイドアウトの手法によって、M-47の裏地の縫製の緻密さを世に知らしめた出来事として今なお語り継がれ、M-47人気に火をつけた立役者と言えるでしょう。
サイズ表記も独特で、ウエスト裏に表記された33や45など2つ並んだ数字のうち、
- 前半の数字がウエストのサイズ
- 後半の数字がレングスのサイズ
を表しています。
平均的な日本人に最適な11、21、22あたりのサイズは、仮に市場に出てきてもプレ値必至の希少サイズとなっているのです。
M-47の前期型と後期型の違い
また、M-47は製造年式によって細部の仕様が微妙に異なっており、いわゆる前期型と後期型に分かれるとされています。
その違いとしては
- M-47前期型
- 40年代~50年代製造モデル、コットンツイル生地使用、ウエストダブルボタン、極太ストレートシルエット
- M-47後期型
- 50年代~60年代製造モデル、コットンヘリンボーン生地使用、ウエストシングルボタン、極太(やや)テーパードシルエット
M-47カーゴパンツの前期と後期の大まかな違いというと、一般的には上記のような違いがあると言われています。
が!しかし、
実はこれら前期・後期の仕様の違いはあまり明確では無いらしく、上記の仕様が混ざっているモノも多数ある様なのです。
コットンツイルにシングルボタンの組み合わせや、ヘリンボーンにダブルボタンなど、すべて一概には言い切れないところも面白さの1つかなと。
ちなみに今回紹介するM-47レプリカは、後期型コットンヘリンボーンのダブルボタン仕様となっています。
M-47を忠実に再現したレプリカパンツ
今回紹介するM-47レプリカパンツは、実際のM-47を完璧に再現したと言っても過言ではない逸品。
ミリタリーショップとして名高いシービーズさんの企画。
カラー展開はオリーブとブラウンの2色展開で、筆者はブラウンをチョイス。
本来のカーキ色(ベージュがかった淡い茶色)に近い土臭さを感じたかったので。
ちなみに前期型と後期型で若干色味も違っていて、前期がカーキ、後期がオリーブっぽい色味であると一般的には言われているので、より前期型に近い珍しい色味だなと思ったのもブラウンを選んだ決め手。
古着やデッドストックでは日本人のゴールデンサイズが本当に希少なので、忠実に再現されたレプリカパンツで、サイズ感も含めてベストな状態で楽しめるのは本当に有り難い。
復刻もののレプリカですが、基本的な仕様は実物とほぼ同じと思って見ていいでしょう。(前期・後期の仕様の違いは抜きにして)
それでは各ディティールをチェックしてみましょう。
シルエット


シルエットはM-47後期型をもとにしているということで、裾に向かって緩やかにテーパードがかかっている形。
もともとがかなり太くダボッと履けるパンツなので、履き心地としてはテーパード感をほぼ感じません。
シルエットは非常に綺麗。
ポケット
続いて後ろからのシルエット。


バックポケット2つ、サイドにカーゴポケットが2つ。
物の出し入れがしやすいよう考慮して配置されたフラップ付きの大型ポケットが存在感抜群。




ポケットはすべて2重フラップになっていて、留めボタンを隠すというこだわり様。
軍モノとしての機能面のみならず、見た目の美しさにもこだわって作られているのが垣間見える仕様。


ポケットは三面マチ(両サイドと下部)付き。
本来の機能性としては物の出し入れのしやすさを考慮してのマチかと思いますが、マチがあることでより横幅に広がりが出る野暮ったい位のボリューム感が生まれ、ワイドで立体的な存在感抜群のシルエットを演出することにも一役買ってくれています。
ポケットのインパクトが凄い。
ウエストボタン


後期型モデルのレプリカですが、ウエストは前期型のダブルボタン仕様。
このあたりの仕様は、レプリカのベースモデルにしている実物にも同様のディティールが見られるということで、ちょっとマニアックなポイント。
というか、見た目にもより特徴的な仕様のため、シングルボタンと比べても特別感・オリジナル感が出ています。
市場価値的にも貴重な前期型のエッセンスを感じられるのも今モデルの魅力。


前開きもしっかりボタンフライ。
筆者はボタンフライをあまり好んで履かないので、個人的にはファスナー仕様でも良かったのですが、さすがにこだわりの完全再現復刻モデルということなので、変にアレンジを加えないで正解です。
ヘリンボーン生地


生地も後期型ヘリンボーンツイルを再現。
なんと生地の厚さまで実物と同じという忠実再現ぶり。
上品な光沢があるので高級感も感じられます。
裾のストラップ


裾を絞ってシルエットを変えられるストラップもきちんと再現されています。
今出回っている実品ではレングスが長すぎて必然的にロールアップして履くことになると思うのですが、それではせっかくのストライプの意味が無くなりますよね。
ジャストサイズで履けるレプリカ品では、しっかりと裾のギミックも楽しみたいところ。
生地裏


マルジェラが惚れ込んだとされるM-47の裏面。
縫製の仕上げまでしっかりと作りこまれています。


裏地のスレキや股下の補強布もしっかりと再現。


M-47レプリカ まとめ
ここまで忠実に再現した精巧なレプリカであればまず文句は出ないでしょう。
当然新品でもあるわけですから、あとは実物にこだわるかどうかだけの問題と言ってもいいと思います。
M-65が機能美的な名作だとすると、M-47は造形美における名作。
そのエッセンスを充分に感じられる秀逸なレプリカだと思います。
より詳細なディティールの仕様についてはメーカーさんの公式Youtubeで解説されているのでそちらもチェック!


こちらのYMCLKY製オリジナルM-47レプリカに関しては、同じ製品番号・同じ価格帯で他ショップさんでも取り扱いがあるのですが、モノとしては同じはずです。
念のため信頼のできるショップさんで購入されることをオススメします。
で、同じM-47のレプリカの中で気になっているものでいうと、ライトオンで出しているオリジナルブランド BACK NUMBER(バックナンバー)レーベルで出しているワールドカーゴシリーズのM-47。


造りはより現代的でライトな感じ(ライトオンだけに)なので忠実再現とは意味合いが異なりますが、前開きがファスナー仕様でより実用的になっていることと、ライトオンオリジナルのキナリカラーを持ってくるあたり絶妙過ぎて心惹かれます。
ユニクロU 2021SSの白ジョガーパンツを買い逃した方などにも結構オススメじゃないかなと思いますね。
ライトオンのバックナンバーレーベルはコンセプトがなかなか秀逸。
こちらもぜひチェックしてみてくださいね。
ではでは。